10月はとっても忙しい

米農家の10月はとっても忙しいんですが、意外と分かってもらえません。……何度も書いている気もしますが(というか話題がツイッターのつぶやきと同じなので、同じ話を何回もしているのに気が付かない人になっているような気も……)。まあ、このブログ同じ話はありの方向で書いているのでいいか。

①稲刈りがまだ終わっていない。

晩生の品種が9月後半くらいからの収穫なので、まだのこっていたりします。とくに飼料用米とか、食用が終わってからの刈り取りになるので最後まで残ってます。一回くらいは台風も来たりする季節なので、それで仕事が全体的に遅れていたりも。

飼料米、うちはライスセンターが近いので、刈ってすぐ籾で出すのですが、刈り取り日がだいたい決められてます。

②稲刈りが終わったら、機械を掃除するんだよ!

稲刈りが終わったらすること……それは使った機械の掃除。

コンバインや乾燥機、籾すり機にグレーダーetcを万全の状態で来年使えるようにしなければいけません。

機械は使ってない時に痛むんです。

米由来のホコリは全て掃除。きれいに掃除をするためには、「掃除口」ってシールがはられたところのネジを開けてエアーで掃除――ではなく、バラせるところは取り外して掃除しましょう。(そんなこと言って、この前無理に回してネジ切った)

ぶっちゃけ、ヌカっぽいよごれは若干油っけがあるので(微量のこめ油)、エアーで吹いただけでは落ちなくて、雑巾で水ぶきしたり、ブラシでこすったりしてきれいにしてます。

掃除も、使い終わったらすぐするのがおすすめ。

しばらく置いておくと、米は栄養があるのでそのカスでも虫が湧きやすいのです。ほこりにまみれた機械には、次の日、糸が貼ってたりしますよね。そうするとやっぱりエアーで落ちにくいので、早めにきれいにしたほうがいいですよね。

きれいにしなかったホコリはどうなるの? っていうと、当然、1年のうちにカビが生えます。カビが生えるとかび臭くなって、ますます掃除するやる気がなくなる負のスパイラルに……。

機械の掃除ができるようになると(スキル)、機械の構造が自然と分かってくるので、トラブルのときも原因の箇所がわかるようになったりします。ここんところの部品、こんな形だっけ? みたいなトラブルの原因だったり。

錆びたところや、塗装が剥がれているところは何でもいいので、塗装しましょう。

別に新品同様に中古で売れるわけないので、色なんて何色でもいいので(だいたい同じ色で……)とにかく鉄を錆びさせないようにラッカースプレーやペンキで塗装しましょう。

いちいちマスキングしてないので、うちの機械は変な所に黒のスプレーがかかっていたりします(笑)。

グリスアップも忘れずにやりましょう。

この機械の整備はどれだけ時間かけてもいいくらい。

整備できることが増えればそれだけ機械屋さんに出すお金も減るはず。

③田んぼの草刈り

だいたい稲刈り前に草刈りをしているはずなんですが、稲を刈っているうちに伸びてます。今年は9月が夏のようだったので特に伸びてます。大変です。

まあ、稲がなくなった圃場も足場にできるのでちょっとは楽?

④田んぼの秋耕

効能は色々あって、ウンカ類が圃場の稲株で越冬するのを防いだり、土と混ぜて藁の分解をする促進させたり、雑草をすき込んだり。

雑草に関しては、種をつけられる前に潰したいので、なるべく早くやりたいですね。稲がなくなって雑草の日当たりもよくなっているので、目立たないようで、やつらはしっかり光合成して栄養を蓄えている……。

⑤来年の作付け計画

うちの辺りでは、来年の種籾や肥料・農薬の注文は10月末までです。

来年使う種籾、肥料、農薬の量いくつ? ってなると、必然的に来年の計画が必要になりますね。

なので、第一回作付け会議になるわけです。今はひとりだけど。

どの品種をどこの田んぼに作るか。どの品種はどんな肥料をどのくらいまくか。作付けする圃場ごとの雑草や害虫の状況から(予知)農薬は何を使うか。これらを未来予知して、あらかじめ注文します。未来予知って何でしょうね(笑)。台風が何時頃きてどんな被害が出るかとか、前の年の10月に考えても当たる気がしないんですが、考えて作付けします。

作業量的にこなせるように考えて計画するのが基本です。早生品種は水が来るのが早い田んぼから植えるとか。近くの田んぼを早生品種で早く刈り取りすると圃場が空くのでなにかと便利だとか。

しかし、こうして10月に注文しても、来年の主食米の作付け参考値は3月頃届くので、そこでまた考え直すことになります(第2回作付け会議)。

まあ、ちょうどぴったりの量を頼むとなにかしらのトラブル(袋が裂けるとか)があったときに困るので、3月に困らないくらいに、ちょっと鉛筆をなめて多めに頼むのが普通……?

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